高齢者の筋トレについて
高齢者の方から、よくこんな話を耳にします。
「トレーニングなんてしたって無駄だからしたくない」
とか、
「年寄りだからもう筋肉なんてつかないんだ」
とか。
本当にそうでしょうか?
いえいえ、高齢者でも一定のトレーニング期間があれば、筋-神経系の改善に加えて、若年者と同様に筋肥大による筋力増強が起こります。
これは、ある理学療法のメールマガジンで紹介されていたトレーニングの概要です。
・内容は膝の屈曲と伸展のトレーニング
・頻度は週に2回、期間は12週間(3か月まじめにやるのは少々大変かもしれませんね)
・負荷の強度は自分のMAX対して半分程度
(例えば20kgのものをどうにか1回だけ持ち上げることがことができる人は、その半分である10kgの負荷で行います。その程度の負荷だとだいたい20回くらいは運動できるそうです。)
・回数は8回×3セット(まとめて20回も行いません)
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結果として、60歳から74歳までの方を対象にして、12週後には優位に筋肥大が認められたそうです。
また、90歳以上の超高齢者に対してもトレーニングにより筋肥大が認められた、との報告もあるそうです。
週2回程度のあまり負荷が大きくないトレーニング(高齢者に対してリスクが少ないトレーニング)でも、適切な量を継続して行うことで筋肥大が起こります。
さらにメールマガジンでは、「筋線維数、筋断面積は24歳でピークをむかえ、その後加齢とともに減少していきます。80歳代の筋線維数は20歳代のおよそ39%にまで減少するとの報告もあります。」とのことでした。
ちょっとショッキングです。60%ダウンって、そんなに落ちてしまうのですか・・・。
私が聞いたことのある話では「同じ生活を送っていても、30歳を過ぎたら年に1%ずつ筋力は落ちていく」ということでした(出典はわからないので正しいかどうかもわかりませんが)。
仮に30歳の筋量を100%として単純に計算すると、50歳では約80%、80歳では60%に減少していることになります。
実際は年を取ると生活スタイルが変わって負荷も低下するでしょうから、筋量はもっと減るのでしょう。
体重が変わらなければ、動作が鈍くなったり体をまっすぐに支えられなくなるのもわかります。
また、速筋は遅筋より萎縮しやすいようです。持久力多少維持されても、最大出力が低下しやすいということです。
上肢では遠位、下肢では近位の萎縮が強く現れるそうで、例えばペットボトルのふたが開けられない、重い荷物が持てない、階段がきつい、ふらついたときに踏ん張りがきかない、といったところでしょう。
一般的な高齢者の方は、まさにこんな様子ですね。
高齢者の方は運動に対して消極的な考えを持っているように感じますが、正直もったいない話です。きちんとトレーニングすれば今以上に快適に生活できるのに、めんどくさいというだけでその可能性を放棄しているように見えるからです。
継続して運動をするのは正直大変です。よほど好きか義務感がないと続かないと思います。ですが、運動に対する消極的な考え方を捨てて、少しでも快適に過ごしていただけるといいな、と思います。