認知症の方の行動について②

続きです。

 

第2法則:症状の出現強度に関する法則

 

認知症の症状は、近しい人に対して強く出て、そうでない人に対して軽く出る傾向があります。身近な人に対しては安心するので素の状態になるそうです。

そんなわけで家の人に対してはわがままになり、よその人に対してはしっかりしているように見えることになります。外では良い顔をして、家ではわがままをいうことになります。家の人の言うことは聞かないけど、お医者さんの言うことは良く聞く、とかです。普通の人でも良くありますよね。それが強く出てしまっているだけかもしれません。
決して親しい人に嫌がらせをしているわけではありません。むしろ甘えているわけですね。

 

 

第3法則:自己有利の法則
自分にとって不利なことは認めません。

個人的には第1法則の全体記憶の障害と少し似ているように感じますが、自己有利の法則では、覚えているけど認めたくないから言い訳をする、といったところだと思います。
普通の人ならうまく言い訳をするのでしょうが、認知症の場合は矛盾が生じることが多いそうです。おかげで周囲が困惑します。
なぜ、言い訳をするのか。自分の失敗を認めたくないからだそうです。無意識のうちに自分を守る、自己防衛本能のあらわれだそうです。決してふざけて言い訳をしているわけではないようです。

 

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第4法則:まだら症状の法則

常に認知症の症状が出ているわけではなく、正常な部分と認知症の部分が混在します。ですから突然シャキッとして話し出すことがあります。

あれっ?と思うような言動をしているときは認知症の症状がでているときです。
普段はしっかりしているけど時々・・・って方、いらっしゃいますよね。

 

 

第5法則:感情残像の法則

体験したことはすぐに忘れてしまっても、感情が残ってしまいます。

良いことがあったら、機嫌が良く穏やかになっている時間が増えます。反対に嫌なことがあったら、しばらくは機嫌が悪かったり否定的だったりします。

感情が良い方向なら構わないのですが、悪い方向に行ってしまった場合、どのようにしたらいいでしょうか。

対応のポイントとして、
① ほめる、感謝する(「すごいね」「さすがだね」「ありがとう」など嬉しい感情をもたらす言葉をかけ続けると次第に落ち着く)
② 共感する(あれこれ尋ねるより「大変ね」「よかったね」といった相槌うつほうが良いことが多い)
③ 謝る、事実でなくても認める、上手に演技をする(事実でなくても、自分の話が受け入れられると落ち着く)
があげられます。

なんだか健常者にも当てはまることばかりのように感じます。気持ちの切り替えがうまくできないこと、と考えると頻繁にあります。

 

 

まだ続きます。

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